「荒野に猫は生きぬいて」

今日、オークションで落とした本が届いた。
状態もよく満足。
母親に、「見て見て」と自慢。母親は、小学生の頃、何度も借りてきた本の表紙*1を覚えていた。
読んでみたら、めちゃめちゃ不運な猫なんで驚いた。
そーだったのかー。猫の不運2、3個しか憶えていなかった。
子供向けなので、短時間で一気読みできた。なんと最後は交通事故で安楽死だった。そんなだったかも…。事故はなんとなく記憶にあるが、安楽死は記憶から落ちていた。てっきり回復して最後は幸せにくらしたとばかり思い込んでいた。どこかで物語の記憶をすりかえてしまったんみたいだ。後付で自分が思っていた「けなげ生きる猫に感動」とは違っていて、結構ひどい不幸の波状攻撃にショックで泣いていたのかもしれない…、ってくらいついていない猫だった。なにぶん小学生だったので、負けずにがんばる猫に感動したのか?きっとそこが夏休みの学校推薦図書だった理由だろうし。

まったく忘れていたのは、ダートムアの描写。
『荒野猫』の舞台はイギリスだったんだ
なんだよ、嵐が丘*2じゃんか、バスカヴィル家の犬*3じゃんか。子供って、案外イギリスのお話を読んでるんだな。

もう一回ちゃんと読もう。

今度、実家にきたら弟にも見せなきゃ。
懐かしネタについては、弟が一番盛り上がる。わたしの子供の頃のマニアックなところを一番知っている子だからな。そして、案外マニアックなところを共有しているし。育ちが貧乏という家庭環境の限定の中、隙間の楽しみを見つけてげらげら笑っていた子供の頃が結構好き。
大人になって、それぞれまったく違う趣味に邁進していたはずなのに、違う県に住んでいた弟の部屋に遊びに行ったら、CDが半分以上かち合っていたときはさすがに笑った。勿体ねえなあ。

*1:焼け野原に沈む夕日を見つめる髭も眉毛も焼けて縮れた黒い猫の後姿。先端を少しだけ曲げた長い尻尾が表紙絵のフレームからはみ出している

*2:嵐が丘はいとこのお姉ちゃんの持っていた『ガラスの仮面』で初めて知ったんだけどね

*3:ホームズのあまり出てこないホームズ長編。犬の口に燐を塗って襲わせるという技に、犬嫌いな子供だったわたしはもう怖くて