二階から○○

この前、今度堀北真希主演ドラマの予習という名の暇つぶしで『花ざかりの君たちへ』を借りて読んでたら、主人公を狙って、頭上(2階?)から鉢植えが落されたくだりがあった
二階から植木鉢
ありえなーい。
と思いつつ読んだが、

…待てよ
今をさかのぼること10年前。ちょうど今ぐらいの蒸し暑い季節。
うちの会社は、仕事の合間に給湯室まで行かなくても、簡単に茶を注せるように、各課にお茶セットが置いてあったんだが、当時わたしが在籍していた課は、手狭で、窓際のキャビネット天板上という、ごく狭いスペースにそれらを置いていた。わたしは自分の分のお茶さえも普段は注さないのに、年少者と言うことで運悪くお茶番担当だった。ポットのお湯の補充もお茶番の仕事。
湯呑や急須がひしめき合う卓上からポットをとるとき、「あ、茶碗倒しちゃうかな?」時にはなったが、生来のものぐさゆえに、「気をつければいけるだろう」と強行した。
と、そのとき
階下から、厚手の陶器が割れる音。磁器みたいな鋭い金属音ではなく、ちょっとくぐもった音。
冬なら窓開いてなかったのにー。真夏ならエアコン入ってたから窓開いてなかったのにー。ついてねえ。
破片を片付けるの面倒だなーと思いつつ、階段を下りて外に出ると、
「殺す気か!」
と、いきなり某課長に怒鳴られた。
「うわ、やば」
某課長は人間にとって大事な頭頂部を守るべきものがいささか不自由な方だったのだ。ま、天辺禿とも言うね。保護面の少ない課長に直撃してたら、えらいことだったぞ。課長の罵倒に平謝り。過失なのに頭ごなしに怒られた腹立ちもあったけど、まあ、死人怪我人がなくてよかった。
「頭上からものが落下するなんて、サスペンス劇場みたいなこと、あんねんなあ」
と、破片を片付ける僕を見に来た同僚にいうと、
「いや、課長は真下におらなんだよ」
「どういうことなん?」
やつは某課長の課員だったので、一部始終を知っていた
「課長は、建物の中で落下する急須を目撃したん」
「え〜!まじか」
そっちもなかなかサスペンス劇場やん。上から落ちる死体や飛び降り自殺を目撃するやつ、あるある。
二階から急須
ありえなーい、じゃなくてやってんじゃんか、わたし。しかも加害者側で

でも、まあ、そんなにあることではないよね。と、そんなこと考えてたら、今日、新たな「二階から」が発生
始業前、一階ロビーですわっていると、卓上型電気鉛筆削りを持って営繕担当のMさんが入ってきた。
「どしたんですか?それ、鉛筆削りですよね。」
「ああ、これ、上から落しちゃって。」
昔モテモテ、今体重二倍の彼は、年季の入ったモテスマイルで鉛筆削りとだらんとしたコードを掲げて見せてくれた。
「壊れなかったんですか?」
「ちょっと欠けたけど」
と、鉛筆削りの樹脂部分を指す
二階から鉛筆削り(卓上型)
わたしの急須よりも殺傷能力高そう

ありえなーい   は訂正
たまには ある 二階から○○