あかりの技術

新宿で観劇。

燐光群グッドフェローズ プロデュース 
『蝶のやうな私の郷愁』
8月1日(火)〜10日(木)
SPACE雑遊
作=松田正隆 演出=鈴木裕美 出演=占部房子坂手洋二
美術=奥村泰彦 照明=中川隆一 音響=堀江潤(オフィス新音)
舞台監督=森下紀彦 舞台監督助手=楠原礼美子 衣裳=山下和美 演出助手=坂田恵
http://www.alles.or.jp/~rinkogun/kodoku.html

濃密な二人芝居。台風の日、洪水の予感の中、アパートの一室に佇む男女の姿を通して、夫婦という最小限の人間の単位を問い直す。キャストは、松田作品にも数多く出演している占部房子*1が、この役をやりたいと思っていて、相手役に坂手を指名。飲み屋話が現実になったとのこと。『セパレート・テーブルズ』に続いて出演を決めた坂手洋二との競演に期待が持たれます。演出は自転車キンクリート鈴木裕美
濃密な2人芝居。小さい劇場なのに、水まではいった。セットもあかりもすばらしく、満足満足。劇場が小さいので、声は、もう少し小さくないとホラーチックで怖いかな。
個人的には、舞台美術・照明・音響にぐっときた。懐かしい香りのするたんすや座卓のある室内。停電中の場面がほとんどの中での繊細な調光。登場人物でさえ自覚できない心理を代弁するかのような効果音。中でも照明はは本当によかった。狭い劇場内にたくさんの照明が吊られ、入場時にはものすごく熱くなるのではないかとどきどきしていたが、予想を裏切ち、仄かで情感を感じさせるあかりであった。静かに張られた水面にも、驚いたが魅せられた。
チケットの半券で、劇場オーナーの飲み屋でドリンク1杯タダ&三部作次回公演割引があるとのこと。
私が行ったのは2006年8月6日(土)15:00の回。アフタートークがあった。坂手、占部のキャストに加え、劇場オーナー、平田満椎名誠がビール片手に主に今回の芝居と劇場についての話をしていた。
『蝶のやうな私の郷愁』は10日まで。*2

*1:昨年のカンヌ映画祭でも脚光を浴びた映画『バッシング』に主演。香川照之曰く、日本のジュリエット・ビノシュhttp://homepage.mac.com/xiaogang/films/talk/2005/051120filmex1.html

*2:文学座有志によるH.H.Gのサイスタジオ公演(加納朋之・征矢かおる)の公演とダブルで見た方もいたようでした。