おちょけたこと言わんと

雨ニモ負ケズ』内で、「おちょける」という言葉が。
ニュアンスで「ふざける」みたいな意味いいと思うのだが、念のため検索。
 おちょける、ちょける ちょーける、おちょーける
       =ふざける、調子に乗る、おどける、ひょうきんにする

播州弁名古屋弁(西三河弁、瀬戸弁)、和歌山弁あたりにあるんだって*1。そういや次課長は岡山だもんね。
「ちょーける」「おちょける」は嘲(あざけ)る意味の「嘲(ちょう)ける」が変化したみたいで、近世の書物では「戯(ちょう)ける」と当てられ、戯(たわむ)れる、ふざけることをいうとか。
だいたい合ってたな。ミックス方言の使い手でよかった(笑)
私は、友人知人の関係で雑種方言だ。
一時、北陸に住んだのだが、周りは近畿の人間が多く、少数部族(北海道、関東、東海、四国、中国、九州)は彼らの言葉に影響された。いわゆる全国規模でいうところの関西弁だね。少数部族の中でも、岐阜・名古屋以西の人は、言葉のイントネーションが東の人とあからさまに違う。東の人にしてみれば関西弁みたいに聞こえる*2。私は他所の方言をまねするが楽しく、自らすすんでその言葉を使った。仲間言葉のような感覚だった。
しかし、私が面白かったように、関西人にも北陸弁は新鮮だったらしく、彼らはよく現地の言葉の口真似をしていた。結果、彼らが北陸で話す関西弁は、北陸アレンジされた関西弁。私が話す言葉はそのまた亜流。どこにも根っこのない変な言葉が身につてしまった*3
母国語は甲州弁(やなし言葉系)。今でもかなり使う。東京の人が甲州あたりの言葉や習慣を聞くと、名古屋圏*4だというが、うちのあたりでは「おちょける」は言わない。近い言葉は「わにわにする」だな。知恵が足りないので、また他所様のお知恵を拝借する。
http://kosyu-dialect.hp.infoseek.co.jp/hougenkurabekoudou.htm#karakau 

  • 甲州弁 わにわにする…なんと!甲州弁が一番変な言葉ではないですか
  • 北海道 おだつ…おだてにのってちょうしにのるさま
  • 青森 じゃさける
  • 山形 おどける …辞書にもあるまともな日本語なのでは
  • 群馬 しゃじける…ふざける+生意気な態度をとる
  • 新潟 はしゃぐ…これも現代日本語として通用する。
  • 石川 かすげる…岩手では「傾げる」し=すの東北訛のことかな
  • 福井 きざえる…小うるさくふざける
  • 岐阜 ちょける
  • 愛知 ちょうすく…三河、瀬戸では「ちょける」を使うらしい。甲州弁ではからかうことを「ちょうす」って言う
  • 三重 ちょける
  • 大阪 いちびる…大阪の「おちょくる」は「おちょける」から
  • 兵庫 ちょける
  • 鳥取 ふざける…完全に標準語なんでは?
  • 高知 そばえる…山口、茨城では「甘える+ふざける」という意味。漢字は「戯える」古語
  • 長崎 ひょうぐる…西関東では「水がとぴゅっと飛び出す」という意味
  • 和歌山 ほたえる…ある辞書では和歌山でも「おちょける」使うらしい

なるほど、「おちょける」はメジャーなほうだったんだ。わたしの周辺は「いちびる」を使っていた。おちょくるよりも喧嘩腰で怖かったけどね*5
それより、わが母国語、甲州弁は何?並べてみると唯一動詞化した言葉ではないか。「わに」って何?
すぐに確認できたものだけだが、
1.わに(北信州、松本、上州、上越、山形)…(子供が)恥ずかしがる、照れる*6。辞書にも載っている!てことは、古語か
2.わに(南信州、静岡北部、甲州西部)…騒がしく、落ち着きのない、調子にのる
2だなー。2がダブルな感じ

おちょけるの意味を調べだしたら、インターネットの罠にはまってしまった〜*7
わたしは今日こそ、本当に寝不足は困るのよ。
答えに誰か賢い人、語源を教えてくれ。

*1:ってことは、その間に挟まる地域も使うかもしれないね。

*2:九州の人は、きれいな標準語を話していて驚いた。本気で土地の言葉を話すと何も通じないからだそうだ

*3:標準語も同じなんでしょ?地方出身者が使う言葉で、地の江戸弁、東京弁とは全然別モンらしいし。江戸弁も憧れるな。旦那言葉とか

*4:私の印象では名古屋は西の文化が強い印象がある。血の熱さって言うか。言葉のうねりとか。

*5:記憶をたどると、兵庫といっても尼崎出身だったり、美術系予備校に通うために大阪に出ていた人も多かったんだよね。

*6:大人は昔は恥ずかしがらなかったのかもね。いや、恥ずかしがること自体が子供っぽい行動だったのか

*7:手軽で大変便利で役に立つのだが、どんぴしゃの答えにたどり着けず、謎が謎を呼び、今夜も眠れない状態